久々にぐっときた本。

『ぶらんこ乗り/いしいしんじ』(asin:4101069212)
じわじわと暖かく、ゾクゾクきました。 全体的にほんわかした、絵本のような雰囲気なのですが、確実にどこかインチキめいているのがよかったです。 つくり話とイタヅラの天才である弟が、幼い頃から書き残してきたノートを読み解きながらストーリーは進行する。少年が書いたものがたりなので、簡単なことばで構成されているんですが、そのことばの使い方、文字の配置、間のつくりなどが秀逸!ひきこまれました。なんていうんでしょう、『MOTHER2』というゲームがあるのですが、それをプレイしている時と同じような感覚でした。ひらがなと雰囲気と想像力のパワー。 個人的な感想として、主人公たちの両親についての描写がいい。すごく仲がいい。2人が海外旅行にいっている時なんてもう。「帰るのが惜しい。でも、帰るのが本当に楽しみだ、ふたりでそういって、笑っていらっしゃいました」だもの。