こういうのでいいんだよ、こういうので

小学生の頃、友達の家で遊ばせてもらった不思議なゲーム。なんだこれ、なんだろうこれは、と思いながらずいぶん物語を進めて、もうこれは堪らない、買うしかないぞってことでちょうどタイミングの近づいていた誕生日だかクリスマスだかのプレゼントとして親にねだった。後日友達に「あのゲーム買ったよ。で、熱中してすぐクリアしちゃった。面白いねー」と伝えたら、友達は「え?俺、あれ飽きちゃって途中で止めてたんだよ。言ってくれれば、ずっと貸したのに」とけろっと言う。その時の後悔を強烈に記憶している。僕の、年2回のプレゼントの1回を、不意にしてしまった…。

若干のトラウマを混じえながらも心の名作として君臨するゲーム、それは任天堂がつくった『カエルの為に鐘は鳴る』。これが、ニンテンドー3DSのDLソフトとして400円で遊べるようになったので買ってみた。(リンク:紹介ページ

王子がお姫様を助けるという王道ストーリーながら、道中で王子が魔法によりカエルにされたりヘビにされたり、その能力を使いこなしたり、RPGなのに戦闘が適当(敵に当たってちからが強い方が勝ち、はい終わり)で、ともすれば一転してとつぜんアクションゲームに転換したりと、フリーダムなゲーム。
なんといってもキャラクターの言葉、テキストがいい。漢字があんまり使えないから、ひらがなでの表現になるんだけれど、ウィットに富んでる。あと物語の適当感もよくて「この金塊は人間じゃ運べないぞ…あそこで暴れてるマンモスを手なずければ引っ張ってくれそうだけど…そうだ!博士がマンモスコントロールマシン作ってたっけ貰ってこよー」みたいな。予定調和、力の抜けっぷりがきもちいい。

昔のゲーム、特に任天堂のソフトはMOTHER2を筆頭にテキストの秀逸さとシステムの適当感がここちよくて、僕のゲームのツボってここなんだよなーとあらためて思った。ほー、いいじゃないか、こういうのでいいんだよ、こういうので、と井之頭五郎さんばりにひとりごちながら、ものの数日でクリア。やっぱり心の名作でした。

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