シカと神戸の旅

足の弱った祖父は僕らの挙式にでてこられなかったため、(すでに挙式から2年経ってしまったけれど)いよいよお嫁さんを見せに祖父のいる奈良へ向かった。というのは大義名分、本音は奈良で1泊タダで済ませて、神戸でいいホテルに2泊しようという悪巧み。

夜行バスで奈良駅に着いて、ガストでだらだらしてから、奈良公園でシカと戯れる。こいつらとは大学4年の頃以来だから、7年振りでしょうか?あいかわらず、鹿せんべいを買おうとしたが最後、財布から金をとりだした時点で「せんべい?せんべい買うの?買うならくれよねえねえくれよねえくれ、くれーー!」と突撃してくる。奇声をあげながら逃げまどうお嫁さんを動画に収める。鹿せんべい屋の周辺にいるシカ達はガツガツしていて苦手なので、せんべいは一旦カバンにしまっておいて、公園奥の大人しいシカたちに振る舞うことにした。「せんべいを持った手を高く掲げると、シカが何度かお辞儀するから、それを合図にあげるとスムーズに食べさせることができますよ」せんべい屋のおばさんが教えてくれたシカハック。どこへいっても堂々とシカが歩いているから、不思議な公園だなって思う。

    

それから祖父の家に向かう。祖父からは「もう何年も来ないから忘れてまうわ!」とニコニコ怒られる。あらためて結婚したことを伝え、お嫁さんを紹介したけれど、祖父はほとんど耳が聴こえないので伝わったかどうかは分からない。

    

奈良1泊後、神戸へ。神戸には2年前の新婚旅行以来だけれど、その時と同じポートピアホテルに宿泊。ここは上層階専用にラウンジがあって、お酒やソフトドリンク、食事やデザート、つまみが食べ放題なんですよねえ…。天国…。そのホテルを拠点に、三ノ宮のトアロード周辺や栄町っていう、ファッション・雑貨ストリートを2日かけてぐるっと周る。何故こうも神戸に惹かれるか。海と山がとても近い地形で、どこにいてもそれらが見えて安心するっていうのと、港町らしい異国情緒溢れる街並みもいい、あとはなにより我が家では『神戸在住』という漫画が一番人気で、その舞台だからっていうのが後押ししてるんです。様々なショップを巡ると、僕らは標準語だから「関東から来られたんですか?」と聞かれる「神奈川からです」「そうですかー。じゃあ、三ノ宮っていうと、横浜と比べるとちょっぴり寂しいでしょう」と色んな人が謙遜する。そんなことないっすよ!三ノ宮のほうがいいっす!ゴミゴミしてないし個性的なショップが多いし観光スポットもギュギュッと固まってるしなにより空気感が!鼻息荒く褒め称えてしまう。僕は神戸びいき。アイラブコーベ。